父母の離婚後の子の養育に関するルールが改正されました(民法等の一部改正)〔2026(令和8)年4月1日施行〕

更新日:2026年01月21日

父母が離婚した後も、こどもの利益を確保することを目的として、2024(令和6)年5月17日に「民法等の一部を改正する法律」が成立しました。

この民法改正では、離婚後の親権、養育費、親子交流などに関するルールが見直されており、2026(令和8)年4月1日に施行されます。

法律の改正内容について

1.親の責務に関するルールが明確になりました

このルール(新民法第817条の12等)では、次のような親の責務が明確化されています。

(1)こどもの人格の尊重:父母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、こどもの心身の健全な発達を図るため、こどもを養育する義務を負います。その際には、こどもの意見に耳を傾け、その意見を適切な形で尊重することを含め、こどもの人格を尊重しなければなりません。

(2)こどもの扶養:父母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、こどもを扶養する責務を負います。この扶養の程度は、こどもが親と同程度の水準の生活を維持することができるようなものでなければなりません(生活保持義務)。

(3)父母間の人格尊重・協力義務:父母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、こどもの利益のため、互いに人格を尊重し協力しなければなりません。次のような行為は、この義務に違反する場合があります。

・父母の一方から他方への暴行、脅迫、暴言等の相手の心身に悪影響を及ぼす言動や誹謗中傷など

・別居している親が、同居している親によるこどもの日常的な監護に、不当に干渉すること

・特段の理由がないのに、一方の親がもう一方の親に無断でこどもを転居させること

・父母間で親子交流の取決めがされたにもかかわらず、その一方が、特段の理由もなく拒否すること

※違反した場合には、親権者の指定又は変更の審判、親権喪失又は親権停止の審判等において、その違反の内容が考慮される可能性があります

※DVや児童虐待からの避難のような急迫の事情により、こどもを連れて転居する場合などは、この義務に違反するものではありません

(4)こどもの利益のための親権行使:成年に達しない子について、親権(こどもの面倒をみたり、こどもの財産を管理したりすること)は、こどもの利益のために行使しなければなりません。

2.親権に関するルールが見直されました

(1)父母の離婚後の親権について
これまで、離婚すると親権は父母のどちらか一人だけしか持てませんでした。新しいルールでは、次の2つの方法から選べるようになります。

単独親権:父母のどちらか一方だけが親権を持つ(これまでのルールと同じ)

共同親権:父母の両方が親権を持つ

(2)親権の決め方について
話し合いで決める:父母の話し合い(協議)で、共同親権にするか、単独親権にするかを決めます。

家庭裁判所が決める:話し合いで決まらない場合や、親権を共同にすることでこどもに悪い影響があると家庭裁判所が判断した場合(例:DVや虐待がある場合など)は、家庭裁判所が父母それぞれから意見を聴いたうえで、こどもの利益の観点からどちらにするかを決めます。

(3)親権の行使方法について
父母が共同親権を持つことになった場合、「すべてのことを二人で決めないといけないの?」と心配になるかもしれません。

法務省は、単独で行使できる行為や事項として次のように示しています。

単独で行使できる行為や事項(例)
日常の行為 監護(こどもの世話)や教育に関する日常的なこと(例:食事や服装、通常のワクチン接種、習い事など)は、共同親権でも一人で決めることができます。
急迫の事情 身体的・精神的DVや虐待からの緊急避難や、急病で緊急の手術が必要な場合など、急いで対応しないとこどもの利益に悪影響がある場合は、一人で判断して行動することができます。

※こどもの将来に大きく関わる重要な事項(こどもの転居や進路に影響する進学先の決定、大きな手術、預金口座の開設など)は、二人で話し合って決めることが原則です。

※その他、具体的な内容(学校行事への参加、学校教育に関すること等)については、法務省作成のQ&A形式の解説資料(民法編)(外部リンク)をご覧ください。

(4)監護について

父母が離婚するときは、こどもの監護の分担についての定めをすることができます。この定めをするに当たっては、こどもの利益を最も優先して考慮しなければなりません。監護の分担の例としては、次のような定めが考えられます。

・平日は父母の一方がこどもの監護を担当し、土日祝日は他方が担当するといった定め

・こどもの教育に関する決定は同居している親に委ねるが、その他の重要な事項については父母が話し合って決めることとするといった定め

3.養育費の支払い確保に向けた見直しがされました

養育費とは、離婚などで親が別々に暮らすことになっても、こどもが生活したり勉強したりするために必要な費用です。

(1)合意の実行性の向上
これまでの法律では、同居している親と同居していない親の間で養育費の支払いを取り決めていたとしても、別居している親が養育費の支払いを怠ったときに別居している親の財産を差し押さえるためには、公正証書や調停調書、審判書などの「債務名義」が必要でした。

今回の改正により、「債務名義」がなくても養育費の取決めの際に父母間で作成した文書に基づいて、差押えの手続きを申し立てることができるようになります。

(2)「法定養育費制度」の導入(金額を決める前の緊急対策)
離婚のときに養育費の取り決めがなかった場合でも、こどもを主に育てている親は、相手に対し、離婚の日から一定期間、すぐに養育費を請求できるようになります。また、法定養育費の支払いがされないときは、差押えの手続きを申し立てることができます。

※法定養育費は、あくまでも養育費の取決めをするまでの暫定的・補充的なものです。こどもの健やかな成長を支えるためには、父母の協議や家庭裁判所の手続きにより、各自の収入などを踏まえた適正な額の養育費の取決めをしていくことが重要です

(3)養育費に関する裁判手続の利便性向上
養育費に関する裁判手続きの際に、家庭裁判所が、当事者(養育費の支払義務者)に対して収入や財産の状況に関する情報を開示するよう命令できるようになりました。また、市区町村に対して給与情報の提供を命じたり、判明した給与債権を差押えできるようになります。これにより、情報開示手続きと差押え手続きがより連携して進められ、養育費を早く、確実に受け取れるようになります。

4. 安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し

新しい法律では、家庭裁判所の手続き中に親子交流を試行的に行うことに関する制度が設けられるなど、親子交流が「こどもの利益を最優先」に行われるようルールが見直されました。

(1)祖父母などとの交流もルールに(親族との交流)

これまでは父母以外の親族とこどもとの交流に関する規定はありませんでしたが、今回の改正により、祖父母などの親族と交流することを定めることができます。

婚姻中別居の場合も含め、こどもと離れて暮らす親だけでなく、祖父母などの親族とも、話し合いで交流のルールを決められるようになりました。

(2)家庭裁判所の手続き中に親子交流を試行的に行うこと(試行的実施)に関する制度

親子交流を始める際、特に、過去にDVや虐待があった場合などは、安全性を確認しながら交流を始めるための仕組みが整えられました。

試行的実施とは、裁判所での手続き中に、こどもの心身に問題がないことを確認した上で、試験的に交流を実施してみることを促す仕組みです。


 (3)婚姻中の父母が別居している場合の親子交流のルールも明確に
これまで、結婚したまま別居している場合(婚姻中別居)の親子交流については、法律のルールが不明確でした。今回の法改正では、婚姻中別居の場合の親子交流について、次のようなルールを明らかにしています。

・婚姻中別居の親子交流については父母の協議により定める

・協議が成立しない場合には、家庭裁判所の審判等により定める

・上記に当たっては、こどもの利益を最優先に考慮する

参考ページ

民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)についての詳細は、法務省ホームページや下記のPDFをご覧ください。

民法等の一部を改正する法律の概要

父母の離婚後の子の養育に関するルールが改正されました

こどもの養育に関する合意書作成の手引きとQ&A

「養育費」と「親子交流」について

養育費について

養育費とは、こどもを監護・教育するために必要な費用のことをいいます。一般的には、経済的・社会的に自立していないこどもが自立する(例えば、大学等を卒業する)までに要する費用を意味し、衣食住に必要な経費、教育費、医療費などがこれに当たります。
こどもを育てることは親の義務です。離婚後にこどもと暮らす親だけでなく、離れて暮らすこととなった親も、こどもの親であることに変わりはなく、こどもの成長を支えるという親の責任も変わりません。離れて暮らすことになる親も、こどもに対して自分と同じ水準の生活ができるようにする義務があります。

養育費の取り決めについて

養育費の取り決めにおいては、金額、支払期間、支払方法、臨時の費用などの取り扱いについて、できるだけ具体的に明記したうえで、父母が署名するなどして、後々取り決めの内容について争いが生じないようにすることが大切です。取り決めを記載した内容は、公正証書にしておくことをお勧めします。父母の話し合いで決めることができない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。
離婚する際に取り決めることができなかった場合は、離婚後、こどもが経済的・社会的に自立するまでは、いつでも養育費を請求することできます。
詳細については、法務省ホームページをご確認ください。
法務省:養育費について

親子交流について

親子交流とは、こどもと離れて暮らす親が、こどもと定期的、継続的に、会って話をしたり、一緒に遊んだり、電話や手紙、SNSなどで交流することをいいます。こどもは親子交流を行う中で、両親のどちらからも大切にされていると安心感を得ることができ、そのことが生きていく上での大きな力となります。

親子交流の取り決めについて

親子交流の取り決めにおいても、頻度、内容、場所、急に親子交流を行えなくなったときの調整などについて、できるだけ具体的に明記したうえで、父母が署名するなどして、後々取り決めの内容について争いが生じないようにすることが大切です。

養育費と同様に取り決めを記載した内容は、公正証書にしておくことをお勧めします。父母の話し合いで決めることができない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。

※相手から身体的、精神的暴力を受けるおそれがあるなど、交流をすることで、かえってこどもの安心・安全を害する場合にまで交流を行う必要はありません。
法務省:親子交流(面会交流)について

養育費の受け取りや親子交流に関しての相談について

養育費の受け取りや親子交流に関して、困りごとがある場合は弁護士などの専門家にご相談ください。

養育費・親子交流相談支援センター

日本司法支援センター「法テラス」

高鍋町子ども家庭支援センター「みらい」

この記事に関するお問い合わせ先

高鍋町役場 福祉課 子ども支援係

〒884-8655 宮崎県児湯郡高鍋町大字上江8437番地
電話:0983-26-2010
ファックス:0983-23-6303

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