竹鳩橋の未来を考える

更新日:2025年12月11日

竹鳩橋の未来を考える

 長年にわたり地域の暮らしを支えてきた竹鳩橋ですが、老朽化により安全性や利便性の面で課題が生じています。町では今、より安心で快適な生活環境を目指し、架け替えに向けた取組を進めています。竹鳩橋の現状と、これからの展望についてご紹介します。

竹鳩橋架け替え事業のポイント

・南海トラフ地震等の大規模災害時には、避難や物資の供給に必要不可欠な橋
・多くの転落事故が発生し、尊い命が失われている危険な現状
・小中学生の通学路であり、多くの車が相互通行する交通の要所
・建設以来65 年が経過し、将来的に崩壊の危険性がある
・事業の効果(費用便益比)は2.78 と極めて高く、経済効果と災害対応効果がある
・総事業費約49 億円に対し、防衛省補助として70%(約34 億円)、特別交付税15%(約7億円)
という財源があるため、町の財政的負担が大きく軽減される
・13 年の工事期間で町が負担する約8 億円(1 年あたり平均約6,000 万円) の財政費用は、他の重要
な事業に影響を与えるものではない

竹鳩橋の現状 位置図

竹鳩橋は、昭和34 年に建設された小丸川の南北を繋ぐ橋で、小丸大橋と高城橋(木城町)との中間に位置しています。小丸川の水位が上昇したときは、橋が川の水面よりも低い位置となる潜水橋であることから、地域では「もぐり橋」という別称で呼ばれています。

28 年前に竹鳩橋等整備促進期成同盟会を結成、高鍋町発展の悲願

竹鳩橋は、高鍋町・木城町・川南町の3町を結ぶ社会経済・産業文化交流の重要な幹線であることから、平成9年2月に3町の町長、議会、公民館連絡協議会等が集まり、竹鳩橋等整備促進期成同盟会を設立し、国・県に整備要望を行ってきました。平成22 年には竹鳩橋付近に東九州自動車道高鍋インターチェンジが開通し、交通需要に応じた改良が求められてきましたが、実現しないまま現在に至ります。

なぜ橋を架け替える必要があるのか

地域防災面での影響

▲ 台風後の橋の様子

▲ 台風後の橋の様子

 竹鳩橋は建設から65 年が経過し、老朽化が進んでいます。近年増加する大雨による小丸川の増水で、流出の危険性が高まっており、万一流されれば復旧は極めて困難です。最悪の場合、橋の再建ができない可能性もあります。
また、河川の水位が上昇した場合、竹鳩橋はその水位よりも下位に位置することになるため、河川の水の流れを妨げる障害物となってしまいます。

通行における危険性

▲ 橋から転落した車両

▲ 橋から転落した車両▲

 竹鳩橋は有効幅員が約2.9 メートルと狭く、車両がすれ違うことができないため、通行者同士のマナーに基づき相互通行をしているところですが、今後見込まれる高齢運転者の増加も相まって、このような形態での通行における事故発生のリスクが高まることが予想されます。

▲避難帯で待機する児童

▲避難帯で待機する児童

 また、潜水橋という構造上、転落防止策はワイヤーロープを張る以外になく、過去には実際に転落事故も発生しています。竹鳩橋は児童・生徒の通学路としても利用されており、車両通行時には避難帯で待機して通行する必要があります。そのうえ、歩道がないため、歩行者は車道部分を通行せざるを得ず、歩道を備えた一般道路に比べ事故の危険性が高くなっています。現在は、小学生については地元住民のご厚意により登校に付き添っていただき、登校時の安全を確保しています。

安心・安全なまちづくりの推進と地域の活性化のために

 竹鳩橋の付近には宮崎県東児湯消防組合がありますが、火災発生時には消防車などの大型車両が竹鳩橋を通行できないため、迂回を余儀なくされ、迅速な消火活動に支障をきたしています。橋の架け替えにより、この状況が改善されるほか、東九州自動車道高鍋インターチェンジから市街地へのアクセス向上や、物流環境の改善による地域産業の活性化などの効果も期待されています。

竹鳩橋の未来を考える

国の補助制度を活用できる最大のチャンス

 町では、平成25 年度から平成28 年度にかけて、国土交通省や宮崎県などで構成される「高鍋地区道路検討会・ワーキング(勉強会)」において、竹鳩橋の架け替えを検討していました。しかし、国土交通省の補助事業では町の財政的負担が大きいと判断され、当時は見送られることとなりました。
 今回の竹鳩橋架け替え事業においては、事業費の70%(約34 億円)に防衛省の補助金を活用する予定です。この補助事業は、飛行場等の周辺地域において、道路が狭いなどの理由で航空機事故等が発生した場合の住民の避難や消防活動の円滑化を図るための施設整備をする自治体に対して助成されるものです。さらに、事業費の15%(約7億円)には国の特別交付税が措置されることも見込まれています。
 町では、令和元年度から町道茂広毛平付・高岡線の道路改良事業で活用している防衛省補助について、次の対象事業として竹鳩橋架け替えを含む町道川田・竹鳩線道路改良事業の予算概算要求書を防衛省に提出しました。

 財政的負担を大幅に軽減できる補助制度を活用できる「今」こそ、長年の懸案であった竹鳩橋の架け替えに着手する最適の時期と判断しています。この機会を逃せば、将来架け替えを行う際には町の多大な負担が生じることになります。

安定した財政運営に努め他の事業も着実に推進

 今回の橋の架け替えのような大型事業を進めるに当たっては、町財政や他の事業への影響に対する心配の声があり、実際、町議会では、小中学校の施設改修など他の公共事業が後回しになるのではないかというご質問をお受けしているところですが、架け替えを進めることを理由に、医療・福祉、教育、生活環境、産業などの各分野の行政サービスの低下を招かないよう年度間の支出額の平準化を図りつつ、さらなる歳入の確保及び歳出の抑制に努めてまいります。
 町では、このような考えに立ち、竹鳩橋の架け替え事業をはじめ、真に必要な事業を着実に進めながら、将来にわたって地域を持続的に発展させていくため、また、今の子どもたちが成長してもこのまちで豊かに暮らし活躍できる未来を築いていくため、10 年後、20 年後を見据えた政策にしっかりと取り組んでまいりますので、町民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

事業計画案

橋梁付近計画平面図(案)

▲ 橋梁付近計画平面図(案)

総事業費 約49 億円(事業費の70%に防衛省の補助金を活用予定。ほか、事業費の15%に特別交付税措置)
事業期間 13 年
橋梁の延長及び幅員 延長:約540 メートル、幅員:10.5 メートル(2車線+片側歩道)
事業の効果(費用便益分析) 2.78(令和5年度実施の算定結果)
※費用便益分析は、道路改良(橋を含む)等の公共事業を行う際に実施する分析方法です。道路整備が行われる場合と、行われない場合のそれぞれについて、一定期間の便益額(B)、費用額(C)を算定し、道路整備に伴う費用の増分と、便益の増分を比較することにより、分析・評価を行います。費用便益分析は、総便益額を総費用額で除した費用便益比(B/C)で表し、このB/Cの値が、1以上あれば、一定の費用対効果が得られる事業であるという「客観的な評価」を行うもので、令和5年度の算定結果である2.78 は費用対効果が高い事業であることを示しています。

この記事に関するお問い合わせ先

高鍋町役場 建設管理課

〒884-8655 宮崎県児湯郡高鍋町大字上江8437番地
電話:0983-26-2014(管理係) 0983-26-2016(土木、建築・都市計画係)
ファックス:0983-23-6303

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