令和3年度病害虫発生予察特殊報第1号が発表されました
令和3年度病害虫発生予察特殊報第1号
令和3年5月10日付けで宮崎県病害虫防除・肥料検査センターより下記のとおり病害虫発生予察特殊報第1号が発表されました。
施設にてトマト、ミニトマトを栽培されている方は媒介虫の防除を徹底するなど対策を行っていただきますようお願いいたします。
1 病害虫名:トマト黄化病
2 病原ウイルス名:トマト退緑ウイルス
3 作物名:トマト・ミニトマト
4 発生確認の経過
1)令和3年(2021年)3月、県内の施設栽培トマトほ場1戸において、葉が黄化する症状が認められた。また、別の施設栽培ミニトマトほ場1戸でも同様の症状が確認された。現場ほ場より検体を採取し、宮崎県総合農業試験場においてRT-PCR法によるウイルス検定を行った結果、両検体ともに、本県未発生のトマト退緑ウイルスによるトマト黄化病であることが判明した。
2)本病は、平成20年(2008年)に栃木県で初めて確認され、九州、関東、中部、四国を中心に21都県で確認されている。
5 病徴
1)本病の初期症状は、下位葉から中位葉の一部で葉脈間が退緑黄化し、斑状の黄化葉となる。
2)症状が進むと葉脈に沿った部分を残して葉全体が黄化し、えそ症状が現れる。
3)本病の黄化症状は苦土欠乏症に似ており判別が難しい。
4)発症株では生育が抑制され、収量が減少する傾向にある。
6 病原ウイルスの特徴
1)本ウイルスは、クリニウイルス属に属し、タバココナジラミ(バイオタイプB及びQ)及びオンシツコナジラミが媒介する。
2)本ウイルス吸汁したコナジラミ類は、数時間から数日間ウイルス媒介能を有する。
3)本ウイルスが属するクリニウイルス属ウイルスは、経卵伝染、汁液伝染、種子伝染、土壌伝染はしないとされている。
7 防除対策
1)媒介虫であるコナジラミ類の防除を徹底する。なお、農薬で防除する場合は、同一系統の薬剤の運用を避け、ローテーション散布を心がける。
2)施設の開口部に防虫ネット(0.4ミリメートル以下)を設置する。
3)発病株は直ちに抜き取り、ほ場外に持ち出し適切に処理する。
4)コナジラミ類の増殖を防ぐため、施設内及び施設周辺の雑草を除去する。
5)施設外にコナジラミ類を分散させないため、栽培終了時にはハウスを密閉し、コナジラミ類を死滅させる。
<連絡先>
宮崎県総合農業試験場 病害虫防除・肥料検査課
電話:0985-73-6670
ファックス:0985-73-2127
更新日:2021年05月13日