令和3年度病害虫防除情報第3号が発表されました
令和3年度病害虫防除情報第3号
令和3年5月28日、宮崎県病害虫防除・肥料検査センターより本年産サツマイモ栽培において本ぽでのサツマイモ基腐病の発生が確認されたことに伴い、令和3年度病害虫防除情報第3号が発表されました。
今年は平年に比べて梅雨入りが早く、本病に好適な条件が長く続くことが予想され、今後の発生拡大が懸念されますので、かんしょを栽培される方は発病株の除去や薬剤防除など適切な対処をお願いいたします。
1.作物名 かんしょ
2.病害虫名 サツマイモ基腐病
3.発生状況(経過)
(1)5月中旬に青果用サツマイモの複数のほ場(品種:高系14号)において、サツマイモ基腐病の発生が確認された(図1)。
(2)今年は、九州南部の梅雨入りが平年より早く、今後、本病に好適な条件が長く続くことが予想され、本ぽでの発生拡大が懸念される。
4.防除上の注意
【本ぽ】
(1)定植後に発病した株は、病斑部に大量の胞子を形成し(図3)、降雨等により周辺に拡がることから、ほ場での発生の有無をこまめに確認する。発病株を見つけた場合は、早急に抜き取り、その場でビニール袋などに入れてほ場外に持ち出し、適切に処理する。
(2)発病株を除去した後は、周辺株への伝染を予防するため、登録のある薬剤による予防散布を全面に行う。なお、散布する際は、株元にしっかりと薬液がかかるよう注意する。
(3)特に長雨により発生が助長されやすいため、晴れ間を利用して薬剤散布を行う。また畝間に停滞水が生じるような大雨や台風の後も、速やかに薬剤散布を行い、二次伝染による蔓延を防止する。
(4)2021年4月現在、2種類の銅剤(ジーファイン水和剤、Zボルドー)とアミスター20フロアブルが登録されているので、使用基準に従って適切に散布する(表1)。
(5)薬剤防除にあたっては、銅剤による予防を基本とし、アミスター20フロアブルは耐性菌が発生するリスクがあるため、連用しないよう注意すること。
【これから定植するほ場】
(1)苗床に本病が発生した場合、症状のある株は速やかにハウス外に持ち出し、適切に処分する。
(2)採苗の際は、苗床の地際部から5cm以上離して採取し、採苗時のハサミはこまめに消毒(火炎滅菌または丁寧な洗浄と拭き取り)する。
(3)ベンレート水和剤またはベンレートT水和剤20を用いて、必ず苗消毒を行う。また、消毒液はラベルに記載してある濃度を遵守の上、十分な量を準備し、使用する当日に調整したものを用いる(表2)。
(4)本病は、排水不良のほ場で発生しやすいため、本ぽの排水対策を徹底する。
《連絡先》宮崎県総合農業試験場 病害虫防除・肥料検査課
電話:0985-73-6670
ファックス:0985-73-2127
更新日:2021年06月01日