令和3年度病害虫発生予察注意報第1号が発表されました
令和3年度病害虫発生予察注意報第1号
令和3年6月22日に宮崎県病害虫防除・肥料検査センターよりサツマイモ基腐病に関する令和3年度病害虫発生予察注意報第1号が発表されました。
本年産かんしょ栽培において、サツマイモ基腐病の発生が散見されています。生産者の方は今後の発生拡大を防止するため、発病株の除去や薬剤防除など適切な対策を実施してくださいますようお願いいたします。
1 病害虫名:サツマイモ基腐病
2 作物名:かんしょ
3 発生地域:県下全域(県北地域を除く)
4 発生量: -
5 注意報の根拠
(1)5月中旬に青果用かんしょの複数のほ場において、サツマイモ基腐病の発生が確認された(令和3年度病害虫防除情報第3号5月28日発表参照)。
(2)その後、原料用かんしょにおいても、本ぽでの発生が確認されており、県内各地で本病の発病が散見されている。
(3)南九州の向こう1か月(6月19日~7月18日)予報から、平年同様に曇りや雨が多い見通しであるため(鹿児島地方気象台6月17日発表)、本病のまん延に好適な環境が続くと予想される。
また、昨年実施した発生消長調査では、梅雨時期に発病が急激に増加する傾向が見られたことから(図1)、今後、さらなる発生拡大が懸念される。
6 防除上の注意
(1) 定植後に発病した株は、病斑部に大量の胞子を形成し、降雨等により周辺に拡がることから、ほ場での発生の有無をこまめに確認する。発病株を見つけた場合は、早急に抜き取り、その場でビニール袋などに入れてほ場外に持ち出し、適切に処分する。
(2) 発病株を除去した後は、周辺株への伝染を予防するため、登録のある薬剤による予防散布を全面に行う。なお、散布する際は、株元にしっかりと薬液がかかるよう注意する。
(3) 特に長雨により発生が助長されやすいため、晴れ間を利用して薬剤散布を行う。また、畝間に停滞水が生じるような大雨や台風の後も、排水を促し、速やかに薬剤散布を行い、二次感染によるまん延を防止する。
(4) 2021年4月現在、2種類の銅剤(ジーファイン水和剤、Zボルドー)とアミスター20フロアブルが登録されているので、使用基準に従って適切に散布する(表1)
(5) 薬剤防除にあたっては、銅剤による予防を基本とし、アミスター20フロアブルは耐性菌が発生するリスクがあるため、連用しないよう注意すること。
(6) 無人航空機による散布を行う際は、気象条件の変化を随時確認しながら、飛散(ドリフト)が起こらないよう十分注意する。
●サツマイモ基腐病の生態や予防対策の詳細については、農研機構のホームページに掲載されている「サツマイモ基腐病の発生生態と防除対策」を参照する。
●6月1日から8月31日までの3か月間、農薬危害防止運動を実施します。農薬散布にあたっては、ラベル表示の確認を十分に行い、農薬使用基準を遵守し、危害防止に努めましょう。
※本ページ内の写真や表は宮崎県病害虫防除・肥料検査センターの許可を得て掲載しております。
<連絡先>
宮崎県総合農業試験場 病害虫防除・肥料検査課(病害虫防除・肥料検査センター)
電話:0985-73-6670
ファックス:0985-73-2127
更新日:2021年06月24日